不妊鍼灸について

老化と不妊

私たちの身体は37兆個の細胞からつくられています。
一つひとつの細胞の中には数千個のミトコンドリアという酸素や栄養素を作り出す発電機のような小さな器官があります。細胞はミトコンドリアのエネルギーを使い新しい細胞や傷んだ細胞の修復をおこないます。細胞が老化するとミトコンドリアのパワーも衰えるためエネルギーの産生ができにくくなり老化に一層拍車がかかります。卵子も当然、細胞からつくられており、加齢により受精しにくくなります。

加齢と不妊

それではなぜ不妊の女性が増えているのでしょう?それは、女性の教育を受ける期間が長くなり社会sんしゅつが旺盛になったため晩婚化が助長され結婚、出産に大きな影響を与えたと考えられます。結果、卵子の老化率が高くなり妊娠しにくくなってしまうのです。厚生労働省の調査では初婚が29歳初産が30歳を超えるというデータがあり、妊娠率を22歳を1とすると35歳では0.5と半分の率になってしまいます。また、卵子は生まれた女の赤ちゃんの身体のなかに約100万個あるとすると35歳では10万個ほどに減ってしまいます。

外的要因による不妊

不妊は卵子の老化だけではなく外的な刺激にも大きく関与しています。第一にあげられるのがストレスです。人はストレスを受けると活性酸素が多く産生されます。活性酸素とは身体のなかに入ってきた菌やウイルスを殺す役割をもっており必要なものですが多すぎると細胞(ミトコンドリア)を傷つけて酸化(さび)させるため不妊をはじめ老化やがんなどの原因になるともいわれています。そのほかに運動不足、喫煙は卵子を変形させたり未熟卵の原因にもなります。

妊娠に必要な婦人科の検査

夫婦間で円滑な性交渉が行われていても、男性側、女性側に妊娠を妨げる障害が隠れていることがあります。特に子宮内器官は生理痛くらいしか不調を自覚することができませんので必ず婦人科で検査を受けることが大切です。 子宮管造影検査(卵管閉塞) 子宮の中を精子が通り卵管をあがり卵管の先、卵巣の近いところ(卵管内)で受精卵が子宮に下り着床します。両側の卵管が癒着をおこしていれば精子の通り道がないため自然妊娠には至りません。

卵胞チェック

排卵期近くにエコーを使い卵胞がどれくらいの大きさになっているか計測する検査法

ヒューナーテスト

性交渉後24時間以内に子宮粘膜を採取し、その中に精子が何匹いるか、子宮の中に精子が通過できるかの検査で障害がある場合は自然妊娠には至りません。

精液検査(男性)

精子を採取し無精子症や精子の奇形、運動率を調べます。血液検査でも調べることができます。

妊娠に重要な基礎体温

基本的には低温期から整理が終わり高温期に変わるときに排卵がおこります。排卵がなければ妊娠しませんのでなんとなく流れに任せるのではなくいつもご自分の排卵日を基礎体温表や排卵チェッカーで把握しておくことが妊娠につながることになります。基礎体温表で低温期が持続している場合は無敗卵、高温期が短い時は黄体ホルモンの不全が判断できます。

妊娠に必要な性交渉の最低ライン

最近は性交渉が苦手で排卵日を狙って性交渉をもつ方が多くいます。この方法ではなかなか妊娠に至りません。理由は性交渉が月に1回~2回ですと精子自体の力が脆弱で卵管まで行きつかないことが多いからです。また、排卵は朝なのか夜おこるのか確定できませんので元気な精子がいつも排卵をまつ状態を子宮内に準備しておくことが重要です。それには排卵日を中心に月5回~6回の性交渉が理想です。不妊外来では排卵日の2日前の性交渉が最も妊娠しやすく、排卵日当日の性交渉は確率が低いというデータが出ています。

人工授精(AIH)と体外受精(ART)

人工授精は通常、女性側の排卵日を予測し卵胞の大きさを予測し排卵誘発剤(HCG)を注射し検査薬で排卵を確認します。そこに洗浄した精子を子宮内に戻す方法です。 体外受精は排卵日に子宮から取り出した卵子を精子と合わせ培養し子宮に戻す方法で胚移植ともいわれます。さらに卵子の中に特殊な管を使い直接精子を注入する顕微授精も行われています。

分割胚法

精子と卵子を培養し細胞分裂が起きた2日~3日の受精卵(胚)を子宮内に戻す方法です。

胚盤法

精子と卵子を体外培養し細胞分裂がおきた5日~6日の受精卵(胚)を子宮に戻す方法で3回に1回は着床するといわれています。 体外受精の流れとしては排卵誘発剤で卵巣を刺激し卵胞をつくります。卵胞が確認できたら血中、尿検査でホルモンの状態を測定し卵胞の発育状態が良ければ卵胞を取り出す採卵を行います。そこに培養し受精能力を高めた特に活発な精子を卵胞に合わせ受精卵(胚)をつくり子宮内に戻し黄体ホルモンを投与しさらに妊娠力を高めます。

体外受精の妊娠率と流産率は?

それでは体外受精の平均妊娠率を見てみると26歳から32歳で約40%、流産率は約18%、38歳から下降しはじめ40歳で妊娠率は約28%、流産率は約30%、43歳になると妊娠率が約12%、流産率は50%まで跳ね上がります。

妊娠に至るまでの鍼灸の作用

生理期→子宮内に貯留していた血液や不純物が排出され子宮内膜がつくられる時期 鍼灸の効用→生理期の不快な症状をなくし、スムーズに生理を終了させる。 低温期→卵胞が成熟をはじめ卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され子宮内膜が肥厚します。 鍼灸の効用→順調な排卵を促す作用 排卵期→卵子が成熟し卵胞から出て卵管に入ります。 鍼灸の効用→卵子と精子が上手く出会える作用をします。重要な時期になります。 高温期→黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され着床に備え子宮内膜は厚みを増します。 鍼灸の効用→受精した場合に受精卵が安定した状態で子宮内膜に留まる作用をします。重要な時期になります。 妊娠の確認 鍼灸の作用→流産を防止する作用をします。重要な時期になります。 妊娠安定期 鍼灸の作用→悪阻が少なく安産の作用。

中医学からみた不妊とは

中医学では生理が終わり一週ほどで排卵が始まり低温期になります。このときに肝で作られた「気血」と腎からの「生殖の精」が子宮に充満し卵子の発育を促しますがストレスや冷えがあると「気」の流れが停滞する「気滞」や血流が滞る「お血」がおこり卵子がうまく育たなくなります。生殖器や泌尿器の衰えを「腎」の機能低下「腎虚」といいますが腎には生殖の精が宿っているため「腎虚」が加速すると卵子の老化ひいては不妊を招きます。「腎」は卵巣機能をコントロールしているのです。

不妊のタイプ

気滞(きたい)型

不安やストレスで気が滞っている状態で新鮮な血液が身体を巡ることができず体温バランスが大きく乱れます。脳からのホルモン指示が不安定なため排卵障害がおこりやすくなります。

お血(おけつ)型

気血がうまく身体を循環しなくなり血流障害をおこした状態で生理痛や皮膚の色が悪くなります。

腎虚(じんきょ)型

過労やストレスで脳下垂体からエストロゲンが分泌障害をおこし子宮内膜に厚みが出ず排卵しないため高温期が持続しない状態になります。 上記の中医学からみた不妊の障害を鍼灸で補っていくわけです。ここがお薬ではできない大きな違いです。 当グループ院では山村式不妊鍼灸をベースに身体に冷えが強い方は温灸法を加え妊娠力を向上させています。冷えや低体温症がある方は、ほぼ筋肉ができている子宮も血流が悪いため着床率が低下しています。耳温灸、腹部温灸法で妊娠しやすい体質にかえて妊娠率を高めていきます。また、妊娠の大敵でもあるストレスは交感神経を緊張させ身体を酸化させてしまいます。人間はリラックスの神経でもある副交感神経が優位になっているときのほうが妊娠しやすくなっています。スーパーライザーの星状神経照射は交感神経の興奮を抑制し気分や身体の緊張を弛める効果があります。また、安価で抗酸化作用がある補助食品を推薦しております。これらの治療法で一日でも早期に妊娠に至る施術をおこなっております。

ストレスと不妊

ご年齢や卵子のグレードが不妊の大きな原因とされていますが、もうひとつ考えておかなければならないことに妊活中のストレスがあります。脳の視床下部にはホルモンを出す中枢とジ自律神経が混在しています。過労や睡眠不足、仕事のプレッシャーなどのストレスが持続的に加わると妊娠に必要なホルモンが円滑に分泌されなくなります。つまり生理不順の原因にもなるわけです。生理不順は排卵を狂わせひいては受精を困難にします。また、自律神経の交感神経が優位になることで緊張感が高まり血管の収縮に影響を及ぼし冷えが顕著のなります。このような状態も不妊の一躍をかっているのです。当院では山村式に加えストレスや冷えの強い方にはお腹や腰の温灸法や神経の緊張を弛めるスーパーライザーを照射を推奨しています。(スーパーライザー照射は世田谷院のみ)

山村式不妊鍼灸プログラムの基本施術

山村式不妊鍼灸は不妊鍼灸で日本の第一人者である山村祐ニ先生の鍼灸施術法です。
山村式鍼灸法のデータでは最短3週間(3回~4回)で妊娠される方もいらっしゃいます。
妊娠希望でご来院の方の約70%の方が妊娠されています。
最近のデータでは19,2回(約5ヶ月)最長38回(11ヶ月)で一年かかって妊娠される方もいらっしゃいます。
施術期間は通常、週1回のペースで早ければ1ヶ月~2ヶ月、平均3ヶ月~8ヶ月で平均年齢は36,3歳です。
人工授精や体外受精を受けている方でも施術ができます。アメリカ生殖医学会のデータでは体外受精のいずれかの移植法に鍼灸施術を加えた結果妊娠の確立が43%上昇し、これは鍼灸施術が妊娠に有効である立証になります。
また、過去5回以上体外受精で妊娠しなかった114名に鍼灸施術を加えた結果49名の方が妊娠に至っています。

山村式不妊鍼灸の施術法

1 問診票からカウンセリングを行います。

2 ご年齢から今までの検査を含めた不妊治療の経過などをお聞きします。

3 両手の脈状やお腹の硬さ、身体の冷えの状態を診させていただきます。

4 生理期、低温期、高温期、高温後期の周期を確認しつぼの選択をします。

5 最初にあおむけにお休みいただきお腹のつぼに鍼施術と赤外線照射を約10分します。

6 お腹の鍼を取り除きます。

7 次に膝と膝下のつぼに鍼施術と赤外線照射を約10分します。

8 膝と膝下の鍼を取り除きます。

9 次に子宮に向かう頚の神経の調整と呼吸に合わせた横隔膜から下腹部の軽い押圧を行います。

10 次にうつぶせになり背中、腰、臀上部のつぼに鍼施術と赤外線照射を約10数分行います。

11 最後に足先に小さなお灸をします。

12 一連の施術が終了後、再度両手の脈の状態を確認して終了します。

施術時間は約60分です。

痛みがある鍼灸施術は痛み自体がストレスとなるため不妊鍼灸には適しません。

山村式の鍼灸法は、最も細い鍼を使用するため痛みがありません。

 

 

適応する方
20代~40代で妊娠希望の方
第一子を出産後、なかなか妊娠されない方
人工授精、体外受精の予定のある方(何回か人工授精、体外受精を受けたが妊娠に至らなかった方)

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